Q 幸せ度が低くなるのに、どうして人類は農耕を選んだのですか?
Q. 幸せ度が低くなるのに、どうして人類は農耕を選んだのですか?
A. 『個人の幸せ』と『集団としての勝利』は別ものだからです。
初期の農耕はそれ程、長時間の苦役をともなうものでは無かったようです。狩猟採集のついでに (副業的に) 少し畑を作っていた程度だったからです。
しかし、それで上手くいって一度人口が増えだすともう後には戻れなくなります。
狩猟採集をやめ農業に専念しないと、増えた人口を維持できなくなっていくのです。
さらに言うと『農業に専念したグループ』がさらに人口を増やし、『狩猟採集に戻ったグループ』は人口がそれほど増えず、という状況が生まれ、結果的に人口が多い方が次世代の世界の主役となっていくのです。
農業に専念する生き方は、色々な大変さも生じたのですが、とにかく人口を増やすのに有利だったのです。
個々の人間の幸せであるかどうかと、所属している集団が勝利できるかどうかは別の話です。
個人として幸せであろうとなかろうと、数をたくさん増やし強くなったものが、次世代の世界を席巻していきます。
牛や豚などの家畜は、狭い所で飼われて殺されて食べられます。でも世界中で繁殖されています。
個としては不幸だけど、種としては成功しているのです。
ムギやコメやイモなども人に食べられる為に世界中で栽培されています。
植物の個としての幸せはどのようなものかは分からないのですが、食べられる為とはいえ種としては成功しています。
優れているとか・幸せであるとかは関係なく『より増えるものが、次世代の地球上に残っていく』という法則があるのです。
人類が総意として農耕を選んだのではなく、農耕を選んだグループがより増え残っていったのです。